日本は習い事大国
ある教育機関の調査によると、4才までに何らかの習い事をしている子どもは70%、小学生にいたっては85%にのぼるそうです。誰もが習い事するのは当たり前という感覚だと言えそうですね。親としては、可能性のかたまりである我が子に出来るだけのことをしてあげたいという気持ちがあるのは当然のことです。ですが、あれもこれも「やってみたい!」という子どもの無邪気な要望に応えるうちに習い事が増えすぎて忙しくなりすぎてしまったり、教育費がかさみすぎるなど、悩みの種を抱えるご家庭も多いのではないでしょうか。
今回は小学生に特に人気の高い習い事について、その特色と傾向についてご紹介していきます。
小学生に人気の習い事ベスト5
1位水泳
2位塾
3位ピアノなどの楽器
4位英語、英会話
5位習字
このような順位になるそうです。どれもポピュラーな習い事ですね。最近の傾向としては、そろばんや絵画などの生徒数が減る一方で、塾や英会話といった学習系の習い事が伸びていることがあげられます。また、コンピュータのプログラミングなどのIT時代らしい新しい習い事も台頭してきています。
それでは、人気の習い事につい詳しく見ていきましょう。
小学生の人気の習い事 第一位の水泳は学校の授業でも役に立つ!
近年の小学生の習い事では、常に高い人気を誇るのが水泳だそうです。その主な理由として、小学校に入ると水泳の授業があり、それに備えるため、また基本的なサバイバル能力のひとつとしての「泳ぎ」を習得させたいためといった点があがります。子どもの頃に習得した泳ぎの技術は、生涯忘れることがないのもいいですね。また運動神経の向上や体力の強化を目的としたスポーツ系習い事は、性別によって大きく傾向が分かれがちですが、水泳は男女を問わず、チームプレーではなく個人のペースでやれる自由度の高さもランキングの高さの要因だと思われます。従って、「上を目指す」習い事にはなりにくく、一通りの水泳技術を習得できたら、大半は小学生まででやめてしまうことが多い傾向にあります。
受験を意識した習い事だとやっぱり塾が人気
塾に通い始めるのは、4年生からが主流のようです。低学年の間は通信教育を選択し、中高学年になると塾に切り替える傾向です。中学生になるとその傾向はさらに強まり、小学生までのスポーツ、芸術系の習い事をやめて、塾が習い事の主になっていきます。特に受験対策のコースでは、それにかかる時間や費用も大きな負担増となり、親子ともにそれなりの覚悟が必要となるでしょう。ちなみに、小学6生年のひと月あたりの受験塾費用は、文部科学省のしらべによりますと、公立小学校の児童で平均約11万円、私立小学校の児童で平均約39万円となっているそうです。これは驚くべき数字ですね。
合唱のときの伴奏をお願いされる!ピアノなどの楽器の習い事
音楽系の習い事ではピアノが最もポピュラーです。ピアノは自宅を利用した個人教室の普及率が高く、気軽に近隣の教室に通うことができます。音感やリズム感を身につける、音楽に対する感受性を養う、楽譜が読めるようになることなどが主な目的です。また、こつこつと練習をする習慣を身につけられるというメリットもあります。楽器の演奏の習い事は、子どもの適性と親の考え方によって向き合い方が大きく変わり、水泳と同様、塾などに切り替えて小学生までで辞めてしまう層と、より高いレベルを目指す層とに分かれると言われています。
なるべく早いうちから始めさせたい!英語や英会話の習い事
グローバル化と言われて久しい昨今ですが、政府の調査によると「自分の考えを英語で言うことができる」程度の英語力を持った日本人は全体のたった15%ほどだそうです。塾と並んで「子どもの将来を考えて」低学年から習わせることが多い習い事であり、中学生以降もやめずに続けることが多いのが特徴です。英会話は早期教育が望ましいとよく言われますが、弊害も指摘されており、家庭が日本語のみの環境だと、週に1度の習い事程度では、結局ほとんど身に付かないという話も聞かれます。どのような形で英語に触れ、親しませてゆくかについては工夫が必要だといえるでしょう。
字を綺麗に書けるようになることは日々の学習にも役に立つ!お習字の習い事
昔ながらの根強い人気の習い事である習字。昔ながらの習い事としては、年々数を減らしてはいますが、そろばんと同じく一定の人気があるようです。美しい字を書くことを学ぶという本来の目的と並んで、正しい姿勢で正座をし、静かに落ち着いて集中した時間を持つ、といった礼儀作法の面を重視する部分も大きいと思われます。
高額な習い事が多いなか、良心的な月謝で運営している教室が多いのも特徴です。
習い事で人間性も磨かれる
近年の小学生に人気の習い事は、主に「運動神経や体力を高めるもの」「学力を高めるもの」「芸術性を養うもの」に大別されます。それに付随して協調性や社交性を高めたり、自立心を高めたりという狙いがあるといえるでしょう。そもそも子どもはひとりひとり全く違う存在ですので、何より本人の意思を尊重するのは前提だと言えます。
おわりに
さまざまな習い事がありますが、「得意なものを持つ事で子どもに自信を身につけて欲しい」ということは、親の共通した願いなのではないでしょうか。
ランキングはひとつの参考として、周囲に流されず我が子に見合ったかしこい習い事選びをすることがポイントです。