はじめに
お正月も終わって子どもたちの学校が始まると、保護者の方もやっとひと段落する方がいらっしゃるかと思います。そして、子どもから預かった「お年玉」の管理をどうするか考えている方も多いと思います。
「子どもがもらったお年玉やお祝い金、どう使うのがいいのかな?」
子ども本人の将来のために貯金する?
これから何かとかかる教育費にあてる?
子どもがもらったのだから、子どもが欲しがるものを買う?
それともこれを機にマネー教育も兼ねて投資する!?
考え出すとお年玉の使い方の選択肢も広がりますね。
今回は最新のお年玉やお祝い金の使い道事情についてご紹介します。
お年玉は保育園や幼稚園になってからあげる?高校生までで大学生になったらあげない?世間のお年玉事情
お年玉やお祝い金と言っても、子どもの年齢のよって対応が変わってきますよね。
周囲でよく聞くのは、幼稚園や保育園に入った頃からお年玉としてお金をあげる人が多く、あげるのは高校生までと考えている人が多いようです。中には生まれてすぐの子どもにも、その子の保護者に預けたり、「学生のうちはお年玉をあげたい!」という考えで、大学を卒業するまであげたりする人もいるようです。
お年玉をあげる人の感覚によって対応は様々だと思いますが、親戚の子に、「いつからいつまでお年玉をあげようかな?」「金額はいくらくらいがいいのかな?」と悩んだときは、親戚同士で決めておくといいかもしれませんね。
しっかり管理してあげよう!幼稚園や保育園時代にもらうお年玉
子どもが小さいうちに受け取る年玉やお祝い金は、親が管理することになります。これは当然ですが、幼児期は将来にわたっての子どもの価値観を形成する大切な時期です。
まとまったお金をもらった時は、子どもがもらったのだということをちゃんと伝えて、きちんともらった相手にお礼を言わせるようにしましょう。それと同時に「お金」の大切さについて子どもと話し合うことが大切かと思います。
パソコンや洋服……欲しいものがたくさん!小学生時代にもらうお年玉
小学生になれば、子どももいろいろなことがわかるようになります。
高学年ともなれば、行動範囲も広がり、自主性も育ち、自分たちでお金を使うことも増えてきます。また、年齢が上がるとともに、欲しいものもパソコン、洋服など高額化します。思春期を迎え、親の言うことを素直にきかなくなってくる子どもも出てくるでしょう。
できればそうなる前の、小学校低学年の頃までに、家庭のお年玉やお祝い金への方針を固めておくことをおすすめします。親に一貫性がないと後々問題が起こりやすくなります。
海外、とくにヨーロッパ圏の人々から見ると、子どもがなにをしたわけでもないのに、あたりまえのように高額のお金をもらうというお年玉やお祝い金の習慣は、とても奇妙に映るようです。それは以下のような、お金に対する原則を学ぶことができず、金銭感覚が麻痺してしまうと心配しているのです。
◎お金には限りがある
◎お金は労働の対価として得るものである
たしかに、大人になったら、何もせずにお金がもらえるなどということはありません。時給1000円を稼ぐのにも、大変な労力が必要です。
お年玉やお祝い金をもらうことの多い家庭は、そのことを常に意識しておかなくてはなりません。月々のお小遣いを報酬制にするなど、なにか別の形で、「労働して対価を貰う」「お金には限りがある」という原則を子どもに伝えておく必要がありますね。
やっぱり貯金が大半!子どもがお年玉やお祝い金の管理方法
では、子どもがもらったお年玉やお祝い金は、どのように管理するのがいいのでしょう?いろいろな調査結果を見ても、「子ども名義の口座に全額貯金する」と「一定額を子どもに任せ、残りを子ども名義の口座に貯金する」が大半なようです。
お年玉やお祝い金をもらったときは、子どもからもきちんとお礼をさせましょう。
もらったお金は、それをくれた人が一生懸命働いて得たお金なのだということを、子どもに伝えましょう。小学生になってからは、子ども自身から礼状を出させるのも一案です。相手に感謝の気持ちを伝える大切さを教えることになりますし、手紙を書く練習にもなりますよ。
「何に使うか」「貯金するか」お金について学べる機会!
もらったお金を「どう使うか」について、子どもとゆっくり話し合いましょう。
今現在、欲しいものがなければ、必要な時に備えて貯金すればいいですし、欲しい物があるならば、もらったお金の範囲内で買えるものなのか、そもそも欲しいものが本当に必要なものなのかなど、一緒に検討してみましょう。
また、お金の具体的な管理方法として、銀行や郵便局の役割、ATMや通帳、小遣い帳などの使い方などもおしえてあげると、子どもは大人の仲間入りをしたような気になって、きっと喜びますよ。
大切なのは、子どもがお金について知る、考えるきっかけにするということです。
同じ「貯金する」であっても、問答無用に貯金というのと、いろいろ考えた上で選択した結果が貯金であったのでは、意味が大きく違ってくるのです。
お年玉やお祝い金にまつわる最新トレンド
少し前までは貯金一辺倒だったお年玉やお祝い金の管理方法ですが、ここ数年、少しずつですが変化が見えてきました。
グローバル化の流れを受けて、自己責任での資産形成が求められるようになったことにより、子どもには欧米並みのマネー教育が必要だという考え方が急速に広まっています。その結果、お年玉やお祝い金の管理を、子どものマネー教育に活かそうという家庭が増えてきたのです。
それに目をつけ、新たなサービスを展開する企業も増えてきています。
あるネット証券会社では、投資できる金額を1000円からに設定し、マンガで株式投資の基本から各種銘柄のまでわかりやすく説明して、マネー教育に役立つことをアピールしています。
また、別の企業では「子どもが誕生すると金貨を少しずつ貯めて、子どもが独立する日の贈り物とする」というヨーロッパの風習を取り入れた、小額からの純金積立や子どもの写真と金貨を一緒に保存できるアルバムなどを用意するなど、今後もいろいろな商品が出てくることが予想されます。
おわりに
お金は生きていく上で必要不可欠です。
お年玉やお祝い金をきっかけにして、子どもが将来困ることがないように、お金に対する正しい知識と感覚を身につけさせてあげたいですね。
イギリスからの帰国子女である友人は、子どもに対し、お年玉を3等分し、「貯金する分」「ほしいものを買う分」「恵まれない人のために寄付する分」と分けるように話していて、とても感心したのをいまでも覚えています。
お年玉やお祝い金の管理方法をどうするかを考えるとき、正解は1つではありません。家庭ごとの家族構成、ライフスタイル、お財布事情、そして価値観によっても答えは変わります。
あなたの家庭の「いま」を見つめ直した上で、納得のいく選択をして下さいね。