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きっと役立つ‼若い夫婦のための教育書④

実力があっても本番で力が発揮できないのはなぜ?

第4回は、学齢期の子どもたちの能力伸長について書かれた本を紹介します。

 

8月6日、いよいよリオデジャネイロオリンピックが開幕しました。私は以前、アテネオリンピック(2004年)の時に日本人選手が試合で自分の実力を発揮できない姿や外国人選手になかなか勝てない状況をテレビで観ていて歯がゆい思いをしたことがあります。

 

当時、私はその原因が、フィジカル面よりもむしろメンタル面の弱さにあるのではないかと思いました。その頃メンタルトレーナーを帯同している日本の競技チームは少なく、メンタルトレーニングの必要性や重要性を認識する指導者もそう多くはなかったのです。

 

今回紹介する脳医学者である林成之教授は、2008年の北京オリンピックで日本代表水泳チームに脳科学に基づく戦略思考を教え、北島康介選手の金メダルを始め日本水泳チームの好成績に貢献しました。 その林教授が、子どもの才能を伸ばす考え方を脳医学の知見に基づいて執筆したのが、『子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!脳を鍛える10の方法』(林成之著 幻冬舎新書 2011@720+税)と、『素質と思考の「脳科学」で子どもは伸びる』(林成之著 発行/教育開発研究所 2015@1800円+税)です。

 

子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!―脳を鍛える10の方法 (幻冬舎新書)

 

素質と思考の「脳科学」で子どもは伸びる

 

3~7歳で始めたいトレーニングとは

今回同時に2冊紹介するのには理由があります。この脳科学の本は、2冊読むことで幼児期から学齢期までの脳の発達と才能の伸ばし方について、著者の知見と主張を一体的に理解することができると思ったからです。

 

著者は3~7歳までが脳の土台をつくる時期だと述べています。またその時期に、脳のはたらきにとって大事な力である「空間認知能」を、日々の習慣やトレーニングで鍛えることができるとも述べています。

そのために日々の習慣として大切なのは、正しい姿勢や歩き方を身につけること。姿勢が正しく保たれていないと、身体のバランスが崩れ、目線が傾くことによって空間認知能がうまく働かなくなるそうです。

 

もし子どもの姿勢が崩れていたら、直すポイントは、「いつでも真上に飛び上がれる状態」を意識させること。その具体的な指導法もきちんと書かれています。

 

試験で実力を発揮する脳科学とは

試験会場に着いて、多くの受験生は「こんなに大勢の受験生がいる中で受かるのはほんの一握りの人だけだ」と不安になったり自信をなくしそうになったりしがちです。ではそんなときは、どのような考え方をすればよいのでしょうか。

こんな疑問にも、著者は脳科学の知見から的確にアドバイスをくれます。またQ&Aだけでなく、その考え方を『入学試験で脳が力を発揮する5つの脳科学的な戦略』として表にもまとめてくれています。この表を机の前に貼り出して、親子で読み合って確認するだけでも効果がありそうです。

 

著者は読者からこんな質問を受けたことがあるそうです。

「受験に落ちた子はどう慰めればよいですか?」

これは難しい質問です。しかしこの難問に対する著者の回答は意外です。

皆さんもまず「自分ならどう言うか」を考えてから本書を読んでください。

そうすれば、林教授が一流アスリートを心理面で支える優れたメンタルトレーナーであることも、なるほどと実感できるはずです。

 

(浩)

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