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きっと役立つ‼若い夫婦のための教育書③

第1回、第2回と規則的な生活習慣と食事が子どもたちの成長に与える大きな影響について、脳科学の知見を紹介してきました。

今回紹介する本は、アメリカ人の女性ジャーナリストが書いた興味深い子育て本です。

 

『フランスの子どもは夜泣きをしない―パリ発「子育て」の秘密―』パメラ・ドラッカーマン著 2014 @1500円+税)

フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密

 

著者は、「ウォール・ストリート・ジャーナル」の元外国特派員で米国人女性。現在は英国人と結婚しパリに住んでいます。

 

彼女が初めて子どもを産んだ後、その幼い娘を連れて夫婦で旅行先のレストランに出掛けたときのことです。

彼女の娘は、「レストランでパンと揚げものを少し食べただけで、ほんの数分も経たないうちにテーブルの塩をこぼし、砂糖の包みをびりびりに破った。そのあと、まるで波止場まで飛び出しそうな勢いで、ハイチェアで暴れだした」のです。こうして夫婦は交替で娘を見張ることになり気疲れのするさんざんな食事をする羽目に陥ってしまいます。

ところがその後、同じように何度かレストランで食事をした彼女は、周囲の子連れのフランス人家族が少しも子どもの世話に追い回されていないことに気がつくのです。

 

「(自分の子と)同じぐらいの月齢のフランス人の子どもが、満足そうにハイチェアに座って食事がくるのを待ち、魚を食べ、さらには野菜まで食べている。金切り声もぐずる声も聞こえない。全員がフルコース料理をひととおり食べ、テーブルのまわりになにひとつこぼれ落ちていない」

こうしてフランス人の子育てを意識し始めた彼女は、「彼らのテーブルは、そしておそらく彼らの生活は、目に見えない深い教えに導かれている。私たちには欠けている『なにか』があるのだ」と考えます。

 

彼女は、パリでの3人(長女と双子の男の子)の子育ての間にフランス人の育児が英米人の育児とは大変異なることに気づき、その違いと素晴らしさの意味を探ることに研究心を燃やしました。そしてジャーナリストとしての本領を発揮して、子育てに関する欧米の書籍や主要な学術論文を大量に読み解き、それだけにとどまらず、ときには電話や訪問をしてその著者や研究者に直接インタビューを行います。また、パリの教育機関の会議にも参加させてもらい、食育の意義を探ります。

そうすることで自分の疑問を解決しながら、同時にじつに根気強く丁寧にフランス流子育てとフランスの保育・教育制度の考え方を深く掘り下げて、その本質や哲学を明らかにしていくのです。

 

何よりも印象的なのは、この本が、研究書や育児啓発書として書かれているのではなく、著者自身が直面した異国での子育ての悩みや悪戦苦闘のようすが、実際の生活場面を切り取って気取ることなくありのまま描かれている点です。

その内容は、日本人の子育てにとっても示唆に溢れており大変参考になると思います。

 

 

初めてママ・パパになる方にはぜひおすすめします。きっとパメラお母さんの不安や心配が我が事のように感じられ、そのあとから少しずつ子育てへの勇気が出てくると思うからです。

 

(浩)

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