» コラム

明日へ届ける手紙⑭「新型コロナウイルス(COVID-19)」(下)

 

 ■ 2020年4月の記録

 

 3月第5週から4月第1週となる、3月29日から4月4日までの1週間で、国民の最大の関心事は、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を首相が発令するかどうかだった。

 政府専門家会議は4月1日、見解を発表し、「感染拡大警戒地域」では「地域内の学校の一斉休校も選択肢として検討すべき」と述べ、休校再開には地域ごとに慎重な判断が求められるとした。

 

 神奈川県は3月30日、県立学校は4月6日の始業日以降2週間程度の臨時休校をする方針を発表した。

 神奈川県横須賀市は4月1日、市立小中学校を6日から授業を短縮して再開することを決めた。また、横浜市も8日から市立小中学校などを短縮授業で再開するとした。

 一方、東京都は4月1日、都立高校や中等教育学校などの休校を5月6日まで延長することを決めた。

 

 愛知県は4月2日、新学期から名古屋市内の県立高校で授業時間を1時間程度遅らせる「時差登校」を実施するとした。福岡市は同日、「市内では感染者が増加傾向で予断を許さない」として市立小中高校と特別支援学校を17日まで臨時休校するとした。

 

 大阪府は4月2日、府立学校の臨時休校を5月6日まで延長することを発表した。これに対して兵庫県は同日、県立の学校を4月8日から再開することを発表した。この発表に対して県内の高校生らは学校再開を延期すべきだとしてネットで署名活動を始め、開始から3日で1万5千人以上の署名を集めた。これらの状況も受け兵庫県は4月6日、8日から予定していた県立学校の再開を取り止め、一部の地域を除いて19日まで休校を延長すると発表した。

 

 京都市は4月3日、市立学校および幼稚園を6日から再開すると発表したが、市民から市長に900通におよぶ休校要請のメールが届き、再開した6日には再び、10日から5月6日まで臨時休校すると発表した。

 

 千葉県は4月5日、6日から予定していた県立学校の再開を延期し4月末まで休校にすると発表した。なお、始業式と入学式は規模を縮小して予定どおり行うとした。

 

 国は4月7日、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を、東京都、大阪府、埼玉県、千葉県、神奈川県、兵庫県、福岡県の7都府県に発出した。この発令を受け、7都府県以外の道府県でも小中高校の臨時休校の延長などが相次いで発表された。

 

 茨城県立高校の3年生の一部生徒は4月8日から10日、県内の全県立高校を臨時休校にするよう求めて、登校を拒否するストライキを起こした。この状況を受け県は13日、県内すべての県立学校を14日から5月6日まで休校にすると発表した。

 

 さいたま市は4月9日から、子供たちの運動不足やストレスを解消するために公立小中学校と高校の校庭を、5月6日まで開放するとした。また、同市は10日から、小学校1年生向けの授業動画を市ホームページで公開した。

 

 政府対策本部は4月16日、緊急事態宣言の地域を全国に拡大した。また、これまでの7都府県に北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府の6つの道府県を加えた13都道府県を、とくに重点的に感染拡大防止の取り組みを進めていく必要があるとして、「特定警戒都道府県」に位置づけた。

 

 愛知県は4月24日、県立高校などの休校期間を5月末まで延長すると発表した。また、県内の市町村に対しても、同じ期間、小中学校を休校するよう要請するとした。

 

 滋賀県は4月27日、県立高校の休校期間を5月末まで延長し、土曜日などの授業実施や夏休みを短縮することを発表した。同日以降、5月末までの休校延長を発表する自治体が相次いだ。

 

 全国知事会は4月29日、テレビ会議による対策会合をもち、緊急事態宣言の一律延長を国に求めることや学校の休校長期化に伴う「9月入学制」についても検討を求めていくことにした。

 

 ■ 2020年5月の記録

 

 政府対策本部は5月4日、全国での緊急事態宣言を5月31日まで延長することを発表した。

 

 福岡県は5月4日、県立学校の休校を31日まで延長することを発表した。宮崎県は24日まで、熊本県は31日まで休校を延長。大分県と鹿児島県は11日から学校を再開するとした。

 

大阪府は5月5日、府立学校の休校を31日まで延長する一方、週に1回から2回、2時間程度の登校日を設けることを決め、市町村に対しても同様の対応を要請することとした。また、6月末までにすべての府立高校でオンライン授業ができる環境を整えるよう関係部局に指示した。その後、大阪市は、市立小中高校の児童生徒に1人1台のノートパソコンを配付することを発表した。

 

 新潟市は5月6日、小中学校の休校期間を5月31日まで延長すると発表した。ただし平日は毎日、分散登校をして本格再開の準備をすることとした。また、新潟県の8市町村は5月7日、分散登校などの感染防止策を講じ小中学校を再開した。

 

 5月7日、鳥取県のすべての公立小中学校、高校は学校を再開した。青森県の県立学校も再開した。また、全国で唯一県内に感染者が出ていない岩手県は、4月29日から県立学校を臨時休校にしていたが、7日には解除し授業を再開した。

 

 5月8日のNHK報道によると、全国で29都道府県が県立学校などを5月末まで休校にする予定である。

 

 政府は5月14日に、全国に発令されていた「緊急事態宣言」を8都道府県を除いて解除し、21日には大阪府、京都府、兵庫県も解除することを発表した。

 

 共同通信は5月15日、全国の教育委員会に調査した結果、13府県が休校期間を短縮して学校再開を前倒しし、21県が短縮しない予定であると報じた。

 

 政府は5月25日、残されていた5都道県の緊急事態宣言を解除した。

 

 ■ 教育機会の回復と9月入学制

 

 5月の第5週時点で、教育分野で多くの関心が寄せられていた事柄を2点述べる。ひとつは、この3か月に及ぶ休校で失われた「教育の機会」をどのようにして回復させるのかという点である。令和元年度の履修できていない学習内容や今年度の履修が遅れている教育課程をどのように回復するのかを文科省は、教育課程の一部を次年度以降複数年にかけて履修する特例を認めた。各教育委員会は現在、夏・冬休みの短縮や土曜授業、特別校時による7時限授業など今後の授業日数の確保に具体的なスケジュールを発表し始めた。二つめは、「9月入学制」に関する課題や論点を明確にする動きである。文科省は、現行制度からどのようにして小学校入学児童を円滑に9月入学に移行させていくか複数案を提起している。

 これらについては次回以降、別稿で改めて述べることにしたい。

(浩)

スポンサードリンク