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元・公立学校の養護教諭 妖怪先生のつれづれ話③ 子どもたちと絆を深めた緑化活動

環境緑化って何をするの?

新任校はとにかく緑豊かな小学校でした。また、この学校では「環境緑化」の活動も行っています。

 

どうやら学校の特色として「環境緑化」を取り組もうと動き始めているようです。

 

 

ある日、私は校長先生から呼ばれて、環境緑化の活動をしてほしいと告げられました。私の校務分掌には、「環境緑化」は確かにあったのですが、主務者ではなかったためにまったく動いていませんでした。

 

「一体何をするんだろう」

 

まだまだ、いろいろな仕事を覚えなければならない半人前の私としては、不安でいっぱいになりました。

 

「植木の剪定でもするのかしら?でも、周りは植木だらけ。大木もあるし、もしかして伐採作業!?」

 

などと妄想しながら、おそるおそる校長先生に、活動等について質問しました。

 

校長先生は、笑いながらおっしゃいました。

 

「環境緑化の仕事は、子どもたちが学校の緑化活動をしながら、自然を大切にしたり環境問題を考えたりする心を育てるんです」

 

さあ困りました。教育の一環としてのこの活動を、学校の目玉にするなんて責任重大です。言いようのない不安を抱えながら、進め方をいろいろな先生方に教わりながら、さっそく計画作りからスタートしたのです。

 

 

緑化計画のはじまりと、子どもたちの意外な一面

緑化計画は多岐にわたります。

 

全体計画から月別計画まで詳細に立てて、それを実践して評価します。特に、月別計画は「何月に何をする」という事を細かく決めて作り、実践できるように作成します。

 

たとえば、花壇の整備や植木の手入れ、学校林の整備、樹木の観察やネームプレート作りなどを月別に計画に入れます。これは、わずか50名の児童の活動としては大変なものでした。そのため、親たちの協力は不可欠で、PТA活動としても、緑化活動は置づけられており、子どもたちの手には負えない部分(これがかなりあるのですが……)の作業をしてくれました。

 

しかし意外だったのは、子どもたちは、この活動を、「自分の仕事として」自分なりに頑張ってやるのです。

 

あまり文句も言わず?1年生は、1年生なりに、6年生は、最上級生として5年生以下の児童を引っ張る役目をしっかり果たしているのです。この姿に、私は深い感銘を受けました。

 

そんなある日、6年生のA君が言いました。

 

「先生、次何する?」

 

「木に掛けるネームプレートを作るんだけれど……どんなのがいいかな?」

 

 

A君は少し考えて言いました。

 

「なんか変わったプレートがいいんじゃない?」

 

そこで、いろいろと話し合いの結果、「木を見るプレートは木の形のものを、花を見るのは花の形のものを」作ることになりました。

 

そして、プレート用の板を電動のこぎりでカットしてペンキを塗り、植物の名前を書いて付けて作成していきました。とてもナイスなアイデアですよね!

 

思わぬハプニングが転じることも……

しかし、その途中でとんでもないハプニングが!

 

私がかなり重い電動のこぎりを移動させようとして、なんと「ぎっくり腰」になってしまったのです。これは不覚でした。あまりの痛さに職員室まで這っていき、すぐに病院で治療を受けました。

 

情けない話ですが、この後、しばらく私はほとんど動くことができなくなってしまったのです。

 

そんな私を見て、6年生の子どもたちが、

 

「俺らがやるから、先生は指示して」

 

と、言ってくれたのです。これには涙がでました。この子どもたちのおかげで、プレートは無事完成して取り付けることができたのです。このプレートは、他の子どもたちの興味をひき付けました。そして、植物の観察や手入れにも力が入るようになったのです。

 

おかげ様で、このような日々の努力が実り、なんと!全国学校緑化コンクールで「準特選」をいただきました。その時の、子どもたちや保護者、職員一同の喜びようといったら、今思い出してもすごいものでした!このような経験は、子どもたちに「努力をすれば結果が出る」ことを教えてくれたようです。

 

いや、子どもたちだけではありません。

 

新米教師の私にも強烈な示唆をもらいました。それは、「子どもたちは、自ら考えて行動することで成長をする」ことです。そして、この活動を通して、今まで以上に子どもたちの絆が強くなっていったのです。

 

それにしても、人生初の「ぎっくり腰」は痛かったなあ……。

 

でも、子どもたちに感謝感謝!

(元保健室の妖怪先生)

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