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学校の四季⑧「4月の慈雨」

 

一雨ごとに日差しが暖かくなり春の息吹を感じる季節になった。

 

毎年この時季に桜並木を歩いたり山桜を眺めたりすると、日本に生まれて本当によかったと思う。桜前線は今どこまで北上しただろうか。雪国ではソメイヨシノはまだ蕾でも、南国ではもう葉桜になっているところもあるだろう。

 

新入学や進学する子どものいるご家族や転勤転居で新しい土地に住むことになったご家庭の方々は、慌ただしい毎日を過ごされているのではないかと思う。

 

新しい学校生活が始まるこの時季は、慣れない生活リズムや学校生活への順応に気を遣い、親子ともに気疲れすることが多いだろう。旅行にでると、慣れない場所や出来事に気を遣い疲労感が増すのと同じである。

環境変化を要因とする事故や病気が頻発するのもこの時季の特徴だから気をつけてほしい。

 

この時季には、朝食時に意識的に100%オレンジジュースを用意して飲んでみるのもいいだろう。旅先のホテルでは朝食のバイキングにフレッシュオレンジジュースが必ず置かれているのをご存じだろう。これはクエン酸やビタミンCが旅行者の疲労回復に効果があるからである。

 

学校管理者の立場から言うと、4月のこの時期はたいへん多忙でかつ重要な時期でもある。まず転任してきた新しい教職員を迎えて、職員の学校での職務担当を決める。次に全教職員で新年度の教育計画を確認する会議を開く。

また、4月のこの時期は「進級クラス替えに伴う関係書類の整理」「定期健康診断」「通学等の安全指導」「家庭訪問・個人面談」「避難訓練」「遠足等校外学習の危機管理」また地域によっては「春季運動会の計画」など新学期早々に計画や準備を要する行事や業務が重なり気忙しい。

 

「新しい体制になったときに事故や事案は起こりがちだ」というのが危機管理の常識であるから、管理職も教職員も4月は相当な緊張感をもった対応をしている。

 

保護者の立場から言うと、必ず確認したいのは、「通学路の安全」と「避難訓練」である。

集団登校している学校もあれば、通学路に地域の安全ボランティアの方々が見守ってくださる学校もある。しかし基本は、まず保護者と子どもが通学路を一緒に歩いてみて、どこが危険かどういう交通状況に気をつければよいか話し合うことである。

親子で話し合ったことをきっかけにして、学校での安全指導や地域の方々の見守りが相まって、万一の事故や思わぬ犯罪を未然に防ぐ抑止効果を生むのである。

 

また4月の間に「避難訓練」や「児童の引き渡し訓練」をすることは、大規模災害が想定されている土地の学校では大変重要なことである。学校とPTAが協力して、まず「地震等の避難訓練」を新学期早期に実施すること、次に5月の連休までには「児童の引き渡し訓練」を行うことが大事である。

「引き渡し訓練」の実施にはPTAの協力が不可欠であるから十分連携して決して形式的な訓練にならぬよう現実的で実効性のある訓練を心掛けたい。

 

イギリスの諺には、

 

「3月の風と4月の雨が5月の花を咲かせる」というものがある。

 

4月のこの時季の準備や工夫が「4月の慈雨」となるということだろう。そして5月になると、校庭には美しい花々が咲き誇り、子どもたちの笑顔溢れる学校生活が繰り広げられていることを願いたい。

(浩)

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