» コラム

学校の四季㉙「家庭学習3つのコツ」(下)

 

■ 家庭学習をどう習慣づけるか

 

 前回、大学生や高校生の「自己学習力」や小中学生の「自学自習ノート」や「サブノート」の意味について長々と書いたのは、そうしないとこれから私が述べる「3つのコツ」がなかなか腑に落ちて理解してもらえないのではないかと考えたからである。

 

 私が、小中学生の自己学習力を育成する方策として勧めるのが、次に述べる「家庭学習3つのコツ」である。家庭学習をどう習慣づけるか、将来必要とされる自己学習力を小学校段階から育成するためにどうすればよいのか、必要な要素を考えて取り入れた。といっても独自に考えたのではなく、これまでの教育の実践事例や国の実態調査の結果を参考にしたものだ。想定した対象は4年生以上の小学生だが、内容をアレンジすれば中学生にも応用できる。前回紹介した高校生のように「勉強に意欲をもてない」「学び方がわからない」学生にさせないために、活用していただければ幸いである。

 

 しかし、この「家庭学習3つのコツ」を取り入れるには、2つのことが前提条件になる。ひとつは、所属小学校で「自学自習ノート」による宿題が出されていること(中学校であれば「サブノート」)。2つめは、学校で使っている『予定帳』に「家庭学習の記録」欄があること。(ない場合は、メモ欄や余白を記録に活用して対応することになる)

 

■ 家庭学習3つのコツ

 

(ここからの説明は、小学生が理解できるように記述しています)

 

■(1)机の上を整えて、めあてを決める

 

 みなさんが宿題をするときにいちばん大事なことは、準備をすることです。「これから始めるぞ!」と勉強机の上を整えるのです。これからとりかかる宿題で使うもの、教科書、国語辞典、資料集や問題集、プリント類、漢字ノートや自学自習ノート、文房具(鉛筆は5本以上削っておきます)など、今日の宿題に使うものをすべて準備して、それ以外の必要でないものは机の上から片付けるのです。

 

 次に、今日の宿題の「めあて」をひとつ決めます。もしも今日、宿題が、理科の「自学自習」、漢字練習、計算ドリルの3つあったとします。そのときはたとえば、理科では「植物の図は丁寧に正確に写す」、漢字の練習では「とめ、はねに気をつける」、計算ドリルであれば「前回計った8分よりも短く終わらせる」などと考えて、そのなかからひとつ今日の「めあて」を決めるのです。そして、その今日の「めあて」は、『予定帳』の今日のメモ欄に書いておきます。このときのポイントは、「毎日同じめあてにしない」ことです。毎日、ちがうめあてを決めるのです。今日のめあてが理科であれば、明日は漢字のめあてというように、毎日めあてを変えます。食事でも好きなものばかり食べていたら栄養がかたよって丈夫な体はつくれません。学力も同じです。「毎日ちがうめあてを決める」ことで、いろいろな学力がバランスよく身につくのです。

 

■(2)宿題にとりかかる順番を決め、かかった時間を計る

 

 「めあて」を決めたら次は、宿題をする順番を決めます。今日の課題はいくつありますか?たとえば今日は、「①漢字ドリル、②計算ドリル、③社会プリント、④理科の自学自習」の4つの課題があったとします。そのとりかかる順番を決めるのです。このときのポイントは、「得意な勉強と苦手な勉強をサンドイッチにする」ことです。ほとんどの人には苦手な勉強があります。その勉強を最初にもってきたり、反対にいちばん最後に残しておいたりすると、宿題を始めるのが「いやだな」と思い、やろうという気持ちがわいてきません。だから、「得意」→「苦手」→「得意」と苦手な勉強を得意な勉強でサンドイッチにするのです。

 

 次に、その4つの宿題をそれぞれ何分で終わらせるか、目標の時間を『予定帳』のメモ欄に書いておきます。たとえば、「①15分②15分③20分④25分」などと書いておきます。合計で「1時間15分」の目標になります。

 

 ここまでできたら、今日の宿題は半分終わったようなものです。「えっ!うそだ!まだ何も始めていないのに」と思うかもしれません。しかし、これは本当です。物事に取り組むときにいちばん大事なことは、「準備」と「計画」だからです。これまであなたは、それができていないのに宿題を始めるから、途中で集中力が途切れてしまってマンガを読み始めたり、必要なプリントが見つからなくて腹を立てて宿題を途中で投げ出したりしたのではありませんか。

 

 さあ、タイマーか時計を前において、宿題を始めましょう。そして、一つの課題が終わるたびに、かかった時間をメモするのを忘れないようにしてください。目標時間のメモ欄の横に、たとえば、「かかった時間①【18分】②【12分】③【27分】④【32分】」などと、実際にかかった時間を記録します。目立つように色を変えて赤鉛筆で書くのもよい工夫です。

 

■(3)学習の「振り返り」を書く

 

 宿題、終了!(今日は集中してできた)と思えたら大成功です。集中して宿題をすると、かかった時間がいつもより短くなったり、逆にかかった時間はずいぶん長かったのに(あっという間に終わった)と感じたりするものです。

 

 しかし、「これですべて終了」と思ってはいけません。いちばん大事なことが残っているからです。

 

 初めに書いた「めあて」をもう一度見てください。今日の勉強はこの「めあて」を達成できたでしょうか。それを考えて今日の「振り返り」を書きましょう。ここでの工夫は(明日はこうするぞ)とか(次はここに注意しよう)とか次に宿題をするときに役立つポイントを書いておくことです。この小さな工夫の繰り返しが、あなたの学力を大きく育てます。

 さあ今日から、チャレンジしましょう。

(浩)

スポンサードリンク