最近保育園の先生が「三輪車に乗れない子供も増えてきている」と言っていました。それはなぜか?
昔はみんな三輪車を経験してから自転車に乗るのが当たり前でしたが、最近ではペダルなし自転車が主流になりつつあるようです。
ペダルなし自転車と言っても、トレーニングバイクやランニングバイク、バランスバイク、キックバイクなど様々な呼び方で展開されています。
◆ペダルなし自転車の登場
「ストライダー」という商品名の物が2009年頃に輸入販売が始まり、あっという間に人気商品になりました。
アメリカ生まれのストライダーは、「足で地面を蹴って進む、全く新しいバイク」でペダルもブレーキもないので、赤ちゃんが歩けるようになるのと同じように 直感的に操作でき、自然とバランス感覚を向上する乗物として支持を得ています。
また大会なども全国で行われたり、関連グッズもとても可愛い物やおしゃれな物が揃っていて、キャラクター物より親の心をくすぐるのもストライダーの人気のひとつだと思います。
ストライダーの人気により現在では同様の商品が様々販売されていて参入している企業は20社を超えます。
価格も数千円のものからあり、最近ではブレーキ付きや、あとからペダルをつけられるタイプなども展開されています。
多くの商品が3キロ前後と軽量で小さい子供でも扱いやすく、自分の足でバランスを取る練習ができ自転車への移行もスムーズで、対象年齢も2歳からと三輪車に乗ってもまだペダルをこぐことが難しい時期に自分で操作できる玩具としてはとても優れています。また三輪車より場所を取らず持ち運びも気軽なので、公園へ持っていくのに自分の自転車に乗せて運んでいる親御さんを見かけることもあります。コンパクトで長く楽しめそうなうえ手軽な価格ととても手が出しやすいアイテムだと思います。
◆ペダルなし自転車は、自転車ではない
子供の物はお下がりをもらうことも多く取扱説明書をきちんと読まずに使ってしまうこともありますが、ペダルなし自転車に乗るうえで必ず知っておきたいことがあります。
ペダルなし自転車は、扱いは乗用玩具になります。
中にはペダルを後から付けられるタイプの場合はペダルとチェーンを付ける際に自転車として防犯登録をできる場合もあるようですが、ほとんどの物は玩具になります。乗用玩具として製造されているので自転車の安全基準は適用されていないということを認識しておきたいですね。
そして、ペダルをこげない年齢でも乗れるということは危険の判断力がまだない年齢ともいえるでしょう。ブレーキがついていないランニングバイクに乗って坂道で加速して転倒してしまうなどの事故も多数起きています。
消費者庁や国民生活センターから注意喚起も出ているので、販売業者も「あくまで遊具なので、公道で乗らないで」と呼びかけています。
どの商品も説明書には公道では使用はしない。子どもだけで使用しない。と記載されているはずです。
三輪車や補助輪あり自転車と違い転倒する可能性がとても高い乗り物です。
ヘルメットを必ず着用し、グローブやプロテクターは出来る限り着用して楽しんで遊んでもらいたいです。