» 過保護と過干渉③中国の「一人っ子政策」において過保護や過干渉がもたらした家庭や社会への影響について

過保護と過干渉③中国の「一人っ子政策」において過保護や過干渉がもたらした家庭や社会への影響について

はじめに

前回は、過保護や過干渉の影響と体験談について考えました。

 

今回は、中国の一人っ子政策や、実際の体験談を通して考えてみたいと思います。

 

 

中国の一人っ子政策によって生まれた「小皇帝」たち

これを読んでいる方々は、「一人っ子政策」をご存知でしょうか。この言葉は社会科の授業で学習したという方が多いと思いますが、この政策も過保護や過干渉と深い関係があるのです。

 

一人っ子政策とは1979年から2015年まで、中国で導入されていた人口を抑制するための政策です。名前の通り夫婦の間には子どもを一人までとすることで、二人目からは罰金が科せられる仕組みになっています。人口の抑制には効果があったようですが、次世代の担い手が減少してしまうということで廃止されました。

 

この政策によって両親や祖父母が子どもを大切にしすぎることとなり、果ては欲望を抑えきれない子どもに育ってしまうことがあるようです。また、そのような子どもは「小皇帝」と、なんとも皮肉がたっぷりと込められた呼ばれ方をしているみたいです。

 

一人っ子政策から見える子どものしつけとその弊害

このように子どもの人数を一人だけに制限されると、可愛い一人息子・娘となって大切にするのは当然のことです。

 

しかし、欲しいものならとにかく何でも買い与えたり、7歳ほどの子どもにエルメスの服を着せたり、食べたいものをいつでも食べられるように……という過剰な可愛がり、甘やかしをしている家庭をメディアが取り上げていて世界を驚かせていました。

 

また、既に一人っ子政策は廃止されていますが、廃止後も一人っ子政策のデメリットである部分が浮き彫りになっています。

 

例えば、江蘇省徐州市の13歳の少女がリストカットなどで母親を脅し、13週目のお腹の赤ちゃんを中絶させたというニュースや、河南省のあるネットユーザーが、「一番好きなのは永遠にあなた」という「保証書」を8歳の子どもに書き、同意を得てから2人目の子供を産むというニュースが流れていました。

 

一人っ子の子どもが、一人っ子政策が終わってから新たに子どもを持とうとした親に、このような行動を取らせるなんて少し常軌を逸していますね。

 

「モンスターペアレント」は子どもをますます社会に馴染めなくする恐れがある

さらに、中国の都市部においては日本と同じように「モンスターペアレント」が問題になっており、その傘の元で子どもたちが教師への批判や、教師に対してわざと傍若無人な振る舞いをするなど、やりたい放題の行動をしているそうです。

 

そして、一人っ子世代の彼らは両親だけでなく祖父母からも溺愛されて育ったため、「我が強い」「説教が受け入れられない」「人に指図されるのが嫌い」「悲観的である」「リスクをより恐れる」といった性格が多く、就職しても仕事に対し無気力で覇気がない状態だと言われています。

 

子どもを大切にしすぎてしまうヘリコプターペアレント

ここで、最近聞かれる「ヘリコプターペアレント」という言葉をご紹介いたします。

 

ヘリコプターペアレントとは、モンスターペアレントの一つで、子どもの頭の上をぐるぐる回るヘリコプターのように、子どもに付きまとって、子どもや子どものまわりの人々に迷惑をかける、過干渉で過保護な親のことを言います。

 

子どもが苦しむ姿を見るのが辛く、「苦しむ前に障害を取り除き、ゆるやかな道を歩ませよう」という思いがあるようですが、「ヘリコプターペアレントの親に育てられた子どもは、将来に関する様々な悪影響を受ける」と言われています。

 

また、ヘリコプターペアレントは「子どもを大切にしすぎる」という特徴があるため、まさに一人っ子政策によって親が愛情を注ぎすぎることにも似ています。

 

これは、親が本来すべき「自立への教育」を妨げることになり、その悪影響は、大人になっても就職や結婚生活や孫に及ぶこともあるでしょう。そのため、親は子どもへの接し方についてその都度振り返ってみることが大切だと感じます。

 

もちろん、しつけは家庭によって違うものではありますが、過度に愛情を注ぎすぎることは子どもにとっても良くないことを理解すべきです。

 

おわりに

いかかがでしょう。さすがに中国の事例は、「すごい!」の一言ですが、日本でもこの話に近い話はありますので、決して他人事ではありません。

 

このようなニュースを聞くと、いかに子どもへの過保護や過干渉が、自己中心的な子や協調性にかける子に育ってしまうかが分かります。そんな子どもたちが成長すると、社会に適応できず、自主性に欠けてしまっている大人になり、社会人となって弊害が起こるのではないかと危惧します。

 

子育て中の親御さんたちには、いろいろと不安なお話になってしまいましたが、次回は、「脱過保護と過干渉」という事で考えていきたいと思います。

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