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過保護と過干渉② 過保護や過干渉が子どもにどう影響するか?

はじめに

前回の過保護と過干渉①では、過保護と過干渉の違いをお話しました。

 

今回は、過保護や過干渉が子どもの成長においてどう影響するのかをまとめてみました。

 

 

過保護が子どもの成長にどんな影響を及ぼすのか

過保護はこどもが不快感を示すと、親が過度に同情し、その不快なことを排除しようとしたり、子どもが望むことを好き放題させたりすると、子どもの自信や自己愛が大きくなりすぎて、他人を尊重しない身勝手な人間に育ちやすくなると言われています。

 

また、このように育った子どもが集団で生活をする場に出ると、好奇心が育ちにくくなっているために、決められた範囲内でしか活動できないようになったり、他の子ども達との交流でも、積極性の欠けた行動がみられたりする心配があるようです。

 

そのため人見知りが激しくなったり、幼稚園や小学校になかなか馴染めなかったりと、環境に適応する能力が欠けているせいで集団行動の中で苦労をすることがあるはずです。

 

さらにひどくなると、いじめをしてしまったり、欲望を抑えられない為に不良行為に走ることも考えられます。

 

過保護で育つと大人になってからの生活においても支障が出る恐れがある

過保護に育った子ども時代が原因で、大人になり社会へ出てからもその影響は続きます。

 

言われたことしかできない「指示待ち人間」となってしまったり、誰かの意見や賛同が得られないと行動できず、積極性や創造性に欠ける人間になってしまう恐れがあります。

 

このように、いろいろと心配される「過保護の影響」ですが、このような人が家庭を持った時、場合によっては、家族に対してモラルハラスメントやドメスティックバイオレンスなどを行うようになる可能性が高い言われているのです。

 

これは、職場と違い、家族は小集団ですので、ある意味で本人にとって「安心できる環境」と言えます。

 

そのため、「職場等で見せる自信のなさ」とは反対に、「本人にとって身勝手な言動やふるまいが許されるところ」と勘違いして、表出してしまうからなのでしょうか。

 

もし、そのようになったら、家族にとってはとてもつらいものになると危惧します。

 

とにかく、子どもにとって「心理的乳離れ」が必要なように親にとっても「子離れ」が必要です。

 

しかし、残念ながら日本の社会では「子どもは大人になっても親の子」という風潮が強く、子どもを1人の成人とみなせる親が少ないのが現状なようです。

 

子どもを1人の大人として自覚を持たせるには、子どもの頃からの接し方から考えるべきでしょう。

 

過干渉は、子供にどう影響するか

今度は過干渉がどういう影響を及ぼすのか考えてみます。

 

過干渉の親に育てられた人は、自分の意志や主張を表に出しにくくなる傾向があると言われています。特に心配性からくる「叱る育児」を受けてきた子どもは、自尊心が低くなりがちです。

 

「母親の言った通りにやる、母親の指示通りに動く」という生活が染み付いてしまうことから、自分では何も決められない、決断力のない人間になってしまう危険があるのです。

 

幼い頃から、小さなことまで親に指示されていながら、「大人になったから、自分で行動しなさい。」と突き放されても、自分で考え、行動するという術を教えられていないため、自主性を発揮できないのも無理もありません。最悪の場合、「自分の人生を選ぶことも難しくなる」ということも考えられます。

 

ニートと呼ばれる人々の中には、「母親の過干渉が多々あった」という経験を持つ人が多いようで、過保護と同様に大人になってからも支障が出るみたいですね。

 

実際に親からの過保護・過干渉で育った方の体験談

【過保護に育てられたことによって……】

 

私の母は、献身的に何でもやってくれました。欲しいものはほとんど手に入り、「あなたはやらなくていいから」とよく言われました。

 

大人となった今、なんでもすぐに甘えてしまう性格や、自分に自信がもてない性格は、そのためではないかと思っています。

(35歳女性)

 

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【親に対して不信感を持っています】

 

親には、何をするにも、先回りされて自分はやらずにいた状態が子どもの頃から続きました。それが、いやでたまらず、学生となったので、親と離れることにしました。

 

しかし、そこで分かったことは、何一つ自分で決められない自分がいたのです。また、性格的にも自己中心的なため、友人関係で苦労しています。こんな自分が嫌でたまらず、親に対しても不信感を未だに持っています。

(27歳女性)

 

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【親が子どものすべてを知りたがる親でした。】

 

子どもの頃から、なんでも親は私の事を知りたがっていろいろと聞いて来たり、日記や、電話の内容を聞いてきたりしていました。私が怒っても母はいっこうに気にせず、その行動を治す素振りはなかったです。

 

高校生になっても私の部屋に勝手に出入りしていて、それがいやでいやでたまりませんでした。進学のために、家を出てほっとした思い出がありますね。

(39歳女性)

 

親ならだれでも子どもに対して過保護や過干渉になる恐れがあります

誰しも母親なら子どもの行動に対してついつい口出ししたり、手を貸したくなりますよね。

 

もちろんそれは当然の事です。

 

母親は、誰よりも子どものことを一番に考えていて、常に育児には責任を持っています。そのため、心の中にはその責任が重くのしかかっているのでしょう。

 

子どものためを思って行動することが、過保護や過干渉になってしまう可能性を秘めているのです。

 

過保護と過干渉は「2つセット」であること

ここで、知ってほしいの事は、親の過保護と過干渉は「セットである」ということです。

 

たとえば子どもの困った行動に、親は口やかましく注意します。これが過干渉です。そして、子どもが困らないように、先回りして手を出します。これが過保護です。

 

親が良かれと思って口を出したり、子どもが困らないように先回りして手を出したりする……。そしてこれらが日常的にグルグルと繰り返される……。この繰り返しの中で育つ子どもは、なかなか自分でできるようにはならないでしょうね。

 

これでは、かえって子どもの芽を摘むことになると思いますが、みなさまはどう考えますか?

 

おわりに

子どものしつけは、なかなか大変なものです。

良かれと思っていても、それが逆効果だったりと思いもよらないことが起きます。

次回は、中国や日本の実際の事例を出して、過保護と過干渉について考えていきたいと思います。

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