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高校受験特集② 高校再編について

はじめに

「高校再編」と言う言葉を聞いたことがありますか?主に公立高校の学科設置や統廃合を行う高校教育改革のことで、各都道府県ごとに進められています。全国的に少子化の影響で高校の小規模化が進んでいますが、一方でグローバル化や情報化が進み生徒の進路選択の幅が広がっており、高校にはより充実した教育が求められています。

 

高校再編はこうした現状を踏まえ、新しい学科や高校、制度を新設または統廃合して、高校教育の質を保ったり高めたりしているのです。また、高校再編は高校生や受験生だけが関係することではありません。高校再編によって今小学生の子供も将来の進路選択が大きく変わりますし、学校の新設または統廃合によって地域の活力も左右されます。

 

今回は子供や地域の将来に関わる高校再編についてお話しします。

 

 

なぜ高校再編が必要か

中学校卒業者数は全国的に減少し続けています。過去30年間で最多だった1989年には約205万人でしたが、2015年には約117万人と6割未満まで減り、今後も更に減少が見込まれています。急激な少子化が続くと高校の小規模化が進みます。教員の配置は生徒の募集定員で決まるため、特に1学年あたりの学級数が少ない小規模校では教員配置が限られ、開設科目数や部活動数の減少、学校運営等がスムーズにいかなくなる可能性があるのです。

 

そのため統廃合で生徒を集中させることで一定の生徒数を確保し、教育の質を保つというのが一般的な理由となるそうです。また現代の子供は、急速に発展する幅広い分野の中から、自分の目標、進路を探さなければならなくなります。このため専門コース設置や単位制導入などの教育内容の工夫や、新しいタイプの学校・学科を設置するなどして、地域や生徒の期待に応えられる環境の充実も大切だと言われています。

 

高校再編の現状と例

少子化の影響で、近年の高校再編は新しい学校学科の配置よりも統廃合の方に重きを置く傾向にあります。統廃合というと寂しい印象がありますが、統廃合によって生徒の学べる幅が広がり、活性化につながった例もあります。

 

宮崎県立日南振徳高校は、農業科や機械科、商業科、福祉科といった幅広い学科が集まり2009年に開校した学校です。同校の周辺地域は生徒数が急減していたため、当時単独では小規模だった商業と農林、工業高校の周辺3校が統合してできました。同校は総合選択制で、他学科の授業を取ることができます。そのため商業科の生徒が電気工事士の資格を取るということも可能なのです。

 

また秋田県立北鷹高校は、少子化で存続が危ぶまれていた高校を含む周辺4校が統合になりました。統廃合で生徒数や教員数が増えた結果、特別進学コースや探求コースなど多彩なコースを設け、科目選択ができるようになったほか、学祭などのイベントや部活の増加や活性化につながりました。

 

小規模校の存続をかけて

全国的に小規模校の統廃合が進んでいますが、小規模校は教員が生徒1人1人に目が届きやすく、生徒間も縦横のつながりが強いなどの良さがあります。また近くにある唯一の高校が統廃合でなくなってしまった場合、次に近い高校までは通学に1時間も2時間もかかってしまうという地域もあるようです。

 

そのためほとんどの都道府県教委は、通学困難地域が出ないよう小規模校を残すケースもあるなど配慮をしているそうです。小規模校は大規模校と比べると開設科目数が少ないですが、最近では中継カメラやモニター、マイクなどの機材を駆使し、生徒と教員が別な学校にいながらも授業を行える「遠隔授業」を導入させた学校もありますし、文部科学省の事業で全国的に遠隔授業の研究がおこなわれています。また県立高校は原則、高校のある都道府県の在住者しか受験できませんが、全国募集をかけて生徒数の増加につなげた例もあります。

 

島根県立隠岐島前高校は日本海に浮かぶ隠岐諸島にある高校で、2008年には1学年の生徒数が30人未満の小規模校でした。しかし美しい島の自然や手厚い指導といった魅力を押し出し、県外からも入学できる「島留学」という全国募集をかけたところ、2012年には59人に増えました。

 

おわりに

高校再編というと、高校生や受験間近の中学生だけが関係する話のように感じるかもしれません。しかし高校受験はほとんどの子供が経験することですし、統廃合で高校がなくなると、日中だけとはいえ多くの子供が地元を離れてるので地域の活気にも影響されます。

 

一方で、子供のための充実した教育環境を考えると統廃合はメリットもあるので、一概に善し悪しは決められません。もしお住まいの地域で高校再編の話が持ち上がったら、ぜひニュースを読み、住民説明会や討論会などに参加してみてください。

 

保護者の声が、将来の子供たちの教育に反映される可能性は高いですし、子供の進路選択の際にもきっと役立ちますよ。

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