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元・公立学校の養護教諭 妖怪先生のつれづれ話⑮「妖怪先生の自画自賛した?授業2:不審者対応の授業」

妖怪先生、ティームティーチング形式の授業!

これは、転任したN小学校で、初任者研修会の授業参観が行われることになった時のお話です。

 

初任者研修会とは、新しく教員になられたピカピカの1年生の先生方の研修会で、算数や国語、特別活動など、本校の先輩先生の授業を参観して、そこから指導技術を学ぶというものです。

ある日、3学年の学年主任であるО先生が、この研修会で「特別活動」の授業をやることになり、内容を「不審者対応の授業」に決定しました。そして、私に「ティームティーチング形式で一緒に授業をやらないか」とのお誘いの言葉がありました。私達養護教諭でもいろいろな仕事がありまして、私も安全教育の一部を担当しておりましたが、「不審者対応」の指導は別の職員の担当でしたので、「どうしたものか?」と不安がありました。

 

ここで、アイデアマンО先生は「前半を紙芝居形式で授業を進めて、後半をロールプレイ(役割演技)で身に着けるべき行動を考えさせる」という案を出してきたのです。

「これはおもしろい!」と私は思い、さっそく準備にかかりました。紙芝居の作成は、指導案とО先生の思いを聞きながら絵などを中心に、私が作成していきました。

 

しかし、「知らない人についていかない」という題材をもとに作成するわけですが、子ども達の心にしみこませる指導をするためには、紙芝居だけではなかなかできません。

そして、О先生の指導案をもとにロールプレイの内容部分に「実際に連れていかれそうになる場面と子どもの対応のしかた」を盛り込もうという事になりました。

 

そして、何と!私がロールプレイで不審者役に!

これが職員室で話題になり、「あなたが不審者?ぴったりね!」とけしからぬ事を言いながら面白がっている職員たちに励まされて(?)ついに研修会当日となりました。

 

初任者研修会といっても公開授業としていましたので、大勢の初任者の先生の中に本校の校長先生や教頭先生、空き時間の先生も見に来ます。

 

本校の子ども達は、多くに先生達に囲まれていても意外と落ち着いていて、むしろ、私の方が緊張していたことを覚えています。そして、授業がスタートしました。

 

子ども達は紙芝居に釘付けでした。

素晴らしいО先生の話術で紙芝居が進んでいきました。

時折、私は補足の話を言ったり、大切なポイントを書いたカードを黒板にはったりと動いていました。

 

そして、いよいよロールプレイの時間です。

О先生の合図で、私は、「不審者ならサングラスかな」と考え、子ども達に背を向けてごそごそと袋からサングラスを取り出し、それをかけて、クルッと子ども達の方に向きました。(その間5秒程度)

 

 

向いた途端に「わ~っ!」と教室中に響く大歓声。中には、手をたたいて喜んでいる子どもも数名います。笑われた私は、やる気の炎がメラメラと燃え上がりました。

 

「こうなったらバッチリ演技してやる!」

 

参加している先生方の爆笑している姿も見えないくらい、しっかり悪役に徹して、ロールプレイを進めて行きました。

 

ところで、ロールプレイという技法は、「子ども達を動かし考えさせる」とても有効な技法です。私自身、この技法を使って、いろいろ授業に参画させていただきましたが、今回も子ども達の心にはまったようです。

 

授業の結果はバッチリでした。

 

授業後、初任者の先生方との話し合いの場がありまして、おほめの言葉をいただきました。その席上で私にも質疑が来ましたので、その応答をしながら、先輩としての立場から先生方に「ティームティーチングにおける授業を進めるにあたっての留意点」と「ロールプレイという技法について」お話をさせていただきました。

 

さすがういういしい先生方です。

質疑応答も活発でしたが、私達の一つ一つのアドバイスに、みなさん真剣にうなずきながら聞いてくださったことがとてもうれしかったです。

 

そして、子ども達にとってもこの授業はかなり印象が強く映った学習となったようです。

同学年で統一するために、その他のクラスにもこの授業をしましたが、どのクラスの子ども達からも、とても楽しい授業だったと言われました。

 

しかし、その後私は、しばらくの間3年生の廊下を歩くたびに「不審者、不審者」と呼ばれるようになってしまいました……(くやし~い!)

(元保健室の妖怪先生)

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